ヤマトタケルは父・第十二代景行(けいこう)天皇の御子(みこ)・小唯命(オウスノミコト)として生まれます。しかし大変気性が激しい子供であったため、父はわが子に恐れを感じました。まだあどけなさが残るオウスでしたが、大和から遠ざけるため危険な任務として朝廷に従わない九州・熊襲建(クマソタケル)兄弟の征伐を命じたのです。 オウスは九州・熊襲に着くと、熊襲建兄弟は館を新築した祝い準備で忙しくしていました。そして新築祝いの日、オウスは少女のように髪を結い叔母のヤマトヒメから借りた衣装を着て女装し熊襲の女たちに混じって宴に紛れ込みます。祝宴が進む中、熊襲建兄弟が酔ったのを見計らったオウスは、ついに懐に忍ばせていた短剣を取り出し兄をそして弟を殺します。この強くて勇気ある行動から、オウスは日本武尊(ヤマトタケルノミコト)と呼ばれるようになったのです。また帰路、出雲では出雲建(イズモタケル)を騙して刀と木刀をすり替えて討ちました。

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