西国征伐から戻ったヤマトタケルに、父・景行(けいこう)天皇は、休む間もなく東国征伐を命じます。 父に嫌われているのではないかと悩んだヤマトタケルは、東国に向かう途中の伊勢神宮で叔母・ヤマトヒメを訪ねます。心のうっ憤を話して嘆くヤマトタケルに叔母・ヤマトヒメは慰め励まします。そのあと、危険に会った時のために神剣・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)と袋に入った火打石を授けます。 伊勢・尾張を経て到着した相模(さがみ)の国は、朝廷に服従しない国造(くにのみやつこ)がいました。ヤマトタケルの到着を知った相模国造は、ヤマトタケルを騙して殺してしまおうと謀りごとをめぐらします。ヤマトタケルは騙されて野に誘われ、周囲から火を放たれ逃げ場を失ってしまいました。だが叔母から渡された火打石で向かい火を放ち、神剣で草をなぎ払い野火から脱出し、あわてて逃げだす相模国造たちを斬り殺しました。 後に火を点けて野を焼いたことからこの地を焼津(やいづ)といい、そして草をなぎ払った剣は「草薙(くさなぎ)の剣(つるぎ)」と呼ばれるようになりました。

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